第27回近畿臨床工学会

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手術室②

座長:村田 佑介(医仁会武田総合病院 臨床工学科)、定 亮志(大阪市立大学医学部附属病院)

[14-04] 臨床工学技士による脊髄刺激療法導入への介入について

*井上 貴仁1、藤野 公輔1、久川 智史1、玉元 大輔1、半田 浩志1、杦本 保1 (1. 大阪暁明館病院臨床工学科)

【概要】脊髄刺激療法(Spinal Cord Stimulation,以下SCS)とは,慢性疼痛療法のひとつであり,脊髄に微弱な電気を流すことにより慢性の痛みを和らげる治療法である.SCSは,腰椎術後疼痛や虚血性疼痛などの神経障害性疼痛に効果が期待できる.当院ではこのデバイスのトライアル,本植込み術後のフォローアップに臨床工学技士として関わったので報告する.

【方法】SCS適応患者に対し,問診,目標設定を行った後にトライアルを実施する.トライアル後,効果が確認できた上で本植込み手術を行う.術後,入院期間中に臨床工学技士がプログラムの調節や,患者に対してのプログラマの操作,使用方法の説明を行う.退院後,外来に定期的に通院し,疼痛効果が安定するよう刺激の条件やプログラムを調節する.

【結果・考察】現在当院では9名の患者のSCS管理を行っている.トライアル期間では可能な限り訪室し患者の主訴を確認しながら様々なプログラム調整を行い,より良い疼痛緩和になるよう出力や刺激位置,刺激パターンの変更を行った.また体位の違いによる刺激パターンの確認を実施した.本植込み術後には,外来で患者の使用状況を確認し,トライアルでは出現しなかった問題点の改善に取り組んだ.また日常生活における疑問点なども同時に聴取し,その解決方法の提案を行った.当院でSCSの介入が始まったのは2020年5月と経験が少ないため,今後他施設との情報共有や業務での経験を繰り返しより良い介入へとつなげていきたい.