一般社団法人資源・素材学会 平成30(2018)年度春季大会

講演情報(2018年2月23日付 確定版)

一般講演

環境・リサイクル

2018年3月29日(木) 09:00 〜 12:00 第4会場 (3号館4F, 35号講義室)

司会:和嶋 隆昌(千葉大学),晴山 渉(岩手大学)

10:30 〜 10:45

[3401-11-06] 廃電子基板を由来とするスズ濃縮物のアルカリ浸出および電解採取によるスズの精製

○原田 茂一1、芳賀 一寿1、高崎 康志1、川村 茂1、柴山 敦1 (1. 秋田大学)

司会:晴山 渉(岩手大学)

キーワード:廃電子基板、Snリサイクル、カラーソーティング、アルカリ浸出、電解採取

日本において廃電子基板は、主に銅(Cu)製錬所で処理され、Cuおよび貴金属などが回収されている。しかし、廃電子基板に含まれるスズ(Sn)はCu溶錬工程においてスラグ相へ分配しやすい。スラグはセメントや路盤材に用いられるため、Snの金属としての回収率は低い。そこで、著者らはCu製錬投入前に廃電子基板からSnを選択的に濃縮・精製するプロセスの構築を目的とし、物理選別と化学的分離操作を組み合わせた新たなSnリサイクル技術の開発を目指している。これまでの研究において、粉砕基板の比重選別により得られたメタル混合物をカラーソーターにて選別し、Snを濃縮した。選別後に得られたSn濃縮物は、Sn品位36%であった。粉砕基板のSn品位は3%であるため、物理選別により約12倍の濃縮が可能であることが示された。Sn濃縮後は化学的分離操作によってSnを精製する。具体的には、Sn濃縮物を微粉末化処理し、水酸化ナトリウム水溶液による浸出により、Snを選択的に溶解し、電解採取によって金属スズに精製する。今回の報告では、水酸化ナトリウム水溶液を用いたSn濃縮物微粉末中の各元素の浸出挙動調査および浸出液を電解液とした電解採取試験の結果を報告する。

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