資源分野の国際貢献

[2K0301-08-03] 持続可能な資源開発実現のための空間環境解析と高度金属回収の融合システム研究
～セルビアにおけるSATREPSプロジェクト～

○別所 昌彦¹、石山 大三¹、柴山 敦¹、増田 信行¹、Zoran Stevanovic² (1. 秋田大学、2. ボール鉱山冶金研究所)

キーワード：SATREPS、環境修復、リサイクリング、鉱山廃水、鉱山廃棄物

現在、秋田大学では、セルビア・ボール地域において地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)を実施している。ボール地域は、古くから銅鉱石の産出と製錬を行っているが、鉱山周辺では金属を含む廃棄物が発生し、環境汚染が問題となっている。そこで、本プロジェクトでは、三次元的な環境評価・解析と高度な金属回収技術を融合し、持続的な資源開発に不可欠な開発と環境との両立を目指した広域環境評価修復システムの開発を目的に、現地のボール鉱山冶金研究所(MMI-Bor)・ベオグラード大学ボール校(TF-Bor) と連携して、汚染の実態調査や鉱業廃棄物や廃水から金属を回収する技術の開発、環境に配慮した資源開発方法の確立の3つを柱とした研究に取り組んでいる。このような資源開発に起因する環境問題は世界各地でみられるが、本プロジェクトでは、研究開発技術の現地移転だけでなく、グローバルな規模の環境問題にも対応できる人材を現地において育成することで、セルビアの発展にも貢献している。今回は、この秋田大学がセルビアにおいて実施しているSATREPSプロジェクトについて概説する。