環境・リサイクリング分野ショート講演3

[2K1001-11-02] アミノ基修飾機能性イオン液体を用いた白金族元素の高効率かつ高選択的抽出/逆抽出(発表者：修士課程)

○半澤 直諭¹、蟹江 澄志¹、村松 淳司¹ (1. 東北大学)

キーワード：イオン液体、白金族元素、溶媒抽出、ロジウム

Pt，Pd，Rh などの白金族元素（PGMs） は自動車をはじめ，多くの工業製品に使用されている一方，可採埋蔵量が非常に少なく，枯渇の恐れがある．そのため，廃棄物中から高効率で回収する技術開発が求められている．これまで廃棄物中からPGMsを取り出す手法としては，有機溶媒へ金属を抽出して回収する，溶媒抽出法が主に用いられてきた．しかし，溶媒抽出法には揮発性や可燃性が高い有機溶媒が用いられ，環境面ならびに安全面から問題視されていた．このような中，近年では環境に低負荷なイオン液体を貴金属抽出溶媒として利用した手法が注目され，高効率回収に向けて期待されている．本研究では，溶媒兼抽出剤としてPGMsとの相互作用部位を有する疎水性イオン液体をデザイン・合成し，PGMs の抽出能を評価した．その結果，アミノ基を有するイオン液体を用いることで，Pt，Pdを95%以上抽出することができた．また，抽出困難なRhも75%程度抽出し，高い抽出能を示した．さらに，条件を最適化することでRhを最大99％抽出することができた．逆抽出によりイオン液体相からPGMsを回収可能であることも示され，実用性の高さも示唆された．