一般社団法人資源・素材学会 2024年度 春季大会

講演情報(2024年2月2日付 確定版)

企画講演

【企画講演】 粉体精製工学部門委員会「学生賞セッション」[3/17(日) PM 第2会場]

2024年3月17日(日) 13:00 〜 15:35 第2会場(6号館 3階 631)

司会:松岡 光昭(関西大学),伊藤 真由美(北海道大学),村山憲弘(関西大学)

●粉体精製工学部門委員会では、粉体精製工学に関係する研究を行う学生の研究意欲の向上、活性化のために、毎年「学生賞セッション」を企画している。昨年度に引き続き、本年度も「学生賞セッション」を開催し、学生の日頃の研究の成果を企画セッション内で披露するとともに、粉体精製工学部門委員会ならびに他の聴講者との活発的なディスカッションを行うことで、学生の研究の質の向上ならびにネットワークの構築を図る。

<発表時間:20分中、講演15分、質疑応答5分/1件>
<発表時間30分中、講演25分、質疑応答5分/1件>

13:45 〜 14:05

[1K0201-06-03] 電気パルス法によるリチウムイオン電池正極材の分離に及ぼす正極活物質層の厚さの影響

○中原 萌絵1[修士課程]、小板 丈敏1、樋口 真一1、成田 麻子1、本田 竜介2、鬼塚 雄聖2、浪平 隆男2、所 千晴1,3 (1. 早稲田大学、2. 熊本大学、3. 東京大学)

司会:松岡 光昭(関西大学)

キーワード:リチウムイオン電池、電気パルス、分離、ジュール熱

電気自動車の市場拡大によるリチウムイオン電池の廃棄量増加にともない、有価金属を含む正極活物質の分離・回収技術が必要とされている。先行研究では、瞬間的に高電圧を印加する電気パルスによる正極活物質層と集電箔Alの界面での分離が報告されている。電気パルス時のジュール発熱によるAl箔と正極活物質層の熱膨張差から発生する熱応力が、分離に寄与すると考察されているが、より精緻な機構解明が求められる。
本研究では、正極活物質層の厚さが異なる試料に対して電気パルス試験をおこない、活物質層の厚さが分離に及ぼす影響を把握した。活物質層の厚さ40, 62, 80 µmの試料において、活物質層の回収率が95%以上となるジュール発熱を明らかとした。一方で、厚さ25 µmの試料では、同様のジュール熱を発生させても分離せず破断した。電流伝熱シミュレーションによる電気パルス印加時の温度解析から、厚さ40 µm以上の試料は集電箔と正極活物質層の界面近傍が温度上昇したのに対し、厚さ25 µmの試料は活物質層全体の温度が上昇しており、活物質層内の温度分布の違いが、分離に寄与する力に影響する可能性が示された。

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