資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

企画講演

【企画講演】海底資源開発の課題と展開 [9/10(火) PM 第1会場]

2024年9月10日(火) 13:00 〜 17:00 第1会場 (一般教育2号館 1F 101) (一般教育2号館 1F 101)

司会:西 圭介(深海資源開発株式会社)

●1970年代にマンガン団塊開発を目指した取り組みが開始されてから50年が経過したが、未だにその開発は実現していない。この間、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、メタンハイドレートなどの新たな資源も認識され、開発に向けた期待は高まり、技術開発も行われたが、これらも開発は実現に至っていない。海底資源開発に向けた現状の認識と、課題についての理解を深め、今後の展開策を探る。

<発表:25分中、講演20分、質疑応答5分/1件>

14:20 〜 14:40

[1109-16-04] リアルオプション分析を用いた3種の深海底鉱物資源開発の経済性比較

○佐々木 俊忠1[修士課程]、鳥屋 剛毅1、安達 毅1 (1. 秋田大学)

司会:西 圭介(深海資源開発株式会社)

キーワード:深海底鉱物資源、リアルオプション分析、マンガン団塊、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト

海洋には有価金属を含有する深海底鉱物資源が存在し、海洋国家である日本は自国の排他的経済水域 (EEZ: Exclusive Economic Zone) や公海に存在する深海底鉱物資源の開発を資源安全保障戦略の一つとして位置付けている。一方で、深海底での開発には莫大な投資と長期間の操業が必要なため、そのプロジェクトには高い不確実性がある。また、現在の日本において事業評価を進めているマンガン団塊、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラストの三つの深海底鉱物資源は開発要件の違いに沿って、それぞれの鉱床に開発モデルの提案が行われている。しかし、今後の資源開発戦略に重要な経済性の比較については手薄であった。本研究では、日本の深海底鉱物資源開発の経済的不確実性を考慮した評価のために、各鉱床の開発シナリオをもとにリアルオプション分析を試みる。SSA (Stratified State Aggregation) 法によるアプローチにより、含有する有価金属毎の市場価格とそのボラティリティを個々に組み込むことで、現実的要件での精緻な評価を追及する。また、オプションを考慮したプロジェクト価値、臨界価格を比較要素として、潜在的な投資価値、適切な投資時期の推定による、各鉱床の相対的な経済的優位性についても評価する。