資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

企画講演

【企画講演】非鉄金属製錬に関わる物性の理解と未利用副産物の回収と活用 [9/10(火) AM 第6会場]

2024年9月10日(火) 10:05 〜 12:00 第6会場 (一般教育2号館 3F 302) (一般教育2号館 3F 302)

司会:打越 雅仁(東北大学)、久志 本築(東北大学)

●東北大学多元物質科学研究所と住友金属鉱山株式会社による共同研究部門による活動および研究成果を報告する。啓発活動として、オープンキャンパスなどで非鉄金属製錬を紹介し、簡単な実験を通じて興味を引き出す展示を企画した。銅製錬に関わる物性および反応の解析、未回収有価金属の回収、忌避金属の有効活用、水平展開を見据えた湿式製錬に関わる錯体解析など、多岐にわたる研究について、方法論から応用展開まで議論する。

<発表:20分中、講演15分、質疑応答5分/1件>

11:40 〜 12:00

[1601-05-05] 323K(50°C)における塩酸溶媒中のクロム塩化物の水和化・錯体化過程

○打越 雅仁1、桐島 陽1 (1. 東北大学)

司会:久志 本築(東北大学)

キーワード:クロム塩化物錯体、塩酸、湿式製錬、紫外可視吸収分光

今後需要が見込まれている有価金属の効率的な抽出方法が望まれている。また都市鉱山からの有価金属の回収・再生においても、効率的な分離技術の確立は重要である。湿式法による分離精製技術、主に抽出剤の開発が盛んであるが、吸着質である水相中における各元素の化学状態は不明であることが多い。あるいは、化学状態が報告されていても、実際の吸着挙動との間に矛盾が認められる場合もある。このような矛盾を解消し、分離技術の開発に貢献する基礎的知見を見出し、効率的精製技術の提案を行うことを本研究の目的とする。Cr資源は豊富でリサイクルの必要を認めないが、用途は多様で有価金属と共に使用されている。都市鉱山からの有価金属の効率的回収のためにはCrを可能な限り除去する必要がある。しかしながら、Crの塩化物水溶液、硫酸水溶液中の化学状態は不明確であり、効率的回収の妨げとなっている。そこで、Cr錯体の分布を主に紫外可視吸収分光を用いて解析し、イオン交換による吸着反応などの合理的説明を試みる。その一環として、50°Cにおける塩酸溶媒中のクロム塩化物の水和化・錯体化過程についての調査結果を報告する。