資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

企画講演

【企画講演】廃棄リチウムイオン電池の処理ならびに関連資源の資源循環技術 [9/10(火) PM 第6会場]

2024年9月10日(火) 13:00 〜 17:00 第6会場 (一般教育2号館 3F 302) (一般教育2号館 3F 302)

司会:宇田 哲也(京都大学)、黒川 晴正(東京大学生産技術研究所)、盛満 正嗣(同志社大学)

●素材部門委員会では、無機素材全般の製造、リサイクリング等に関する広範囲な技術情報の交換の企画セッションを春秋大会で開催している。今回は、リチウムイオン電池のリサイクリングならびにその周辺技術に関するセッションを企画した。なお、次回以降の企画の提案も委員の方から受け付けており、さらに、委員も随時募集している。企画提案のある方、委員希望者は学会ホームページを参考に委員長もしくは事務局まで連絡ください。

<発表:60分中、講演50分、質疑応答10分/1件><発表:30分中、講演25分、質疑応答5分/1件>

13:05 〜 14:05

[1606-11-01] リチウムイオン二次電池用正極材料の金属元素の制約と相乗効果

○牧村 嘉也1 (1. 株式会社豊田中央研究所)

司会:黒川 晴正(東京大学生産技術研究所)

キーワード:ニッケル、コバルト、遷移金属、電子状態、結晶構造

リチウムイオン二次電池に使われる金属元素種として、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウム、銅が主に用いられており、今後はこれらの金属資源の循環、および電池材料としての機能の循環(ダイレクトリサイクル)が重要となる。これら金属元素のなかで遷移金属元素(ニッケル、コバルト、マンガン)は正極材料の構成元素であり、高性能電池に用いられるNiCoMn三元系正極材料に含まれている。最近では車載用廉価電池の正極材料として鉄系正極材料LiFePO4が用いられており、高資源リスクの金属元素を用いない電池として注目されている。電池電極材料の原理原則の観点から、これら遷移金属元素の選定には厳しい制約があり、その制約の中で材料研究者が知恵を絞って突破口を探ってきた。遷移金属元素の限られた選択肢の中で、それらをうまく機能させる結晶構造の選定、金属元素の組み合わせによる特異な性質の発見を経て、近年では多様な材料系が提案されている。本講演では、遷移金属元素選定の制約条件について説明し、系統的な材料研究を通して明らかになってきた金属元素の組み合わせ効果、今後の展開について詳細に述べる。