資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

若手・一般ポスター発表

15:15-17:15 ポスター発表(鉱物処理/リサイクル) [9/11(水) PM ポスター発表会場]

2024年9月11日(水) 15:15 〜 17:15 ポスター会場e (大学会館 1F クレール)

15:15 〜 17:15

[P044C] アルカリ水溶液からのリチウム炭酸塩生成におけるケイ素の影響

○中屋 駿介1、高谷 雄太郎1、所 千晴1,2 (1. 東京大学工学系研究科システム創成学専攻、2. 早稲田大学理工学術院)

キーワード:炭酸リチウム、スポジュメン、アルカリ溶媒

リチウム (Li) は主にペグマタイト鉱床から生産され、特にスポジュメン (LiAlSi2O6)は主要なLi源である。一般に、スポジュメンからのLi抽出には高温での焙焼と高温での硫酸浸出が必要であり、これらの工程は大量のエネルギーを要する。これに代わる手法として、アルカリ溶媒を用いたスポジュメンの熱処理が注目されている。スポジュメンのアルカリ熱処理では、その浸出工程においてケイ素(Si)やアルミニウム (Al) がLiと共に浸出する。そのため、これらの元素が炭酸リチウムとしての回収工程に与える影響を調べることは重要である。本研究では、模擬溶液を用いてLiの炭酸塩化に及ぼすSiの影響を調べた。水酸化リチウムとメタケイ酸ナトリウムで調製した模擬試薬に、5気圧の分圧で炭酸ガスを注入することで炭酸リチウムの沈殿回収を試みた。実験の結果、模擬溶液からはコロイド状物質が生成し、Siの約100%、Liの10%程度が液中から除去された。炭酸リチウムの沈殿生成も考えられるが、Liの一部はコロイド状物質と共沈していることが示唆された。本発表ではこのメカニズムの詳細検討を行うとともに、共沈現象の抑制手法に関しても議論する。