資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

企画講演

【企画講演】最近の石炭等エネルギーの開発・利用の動向 [9/12(木) AM 第1会場]

2024年9月12日(木) 09:30 〜 12:00 第1会場 (一般教育2号館 1F 101) (一般教育2号館 1F 101)

司会:菅井 裕一(九州大学)、岡部 修平(JCOAL)

●カーボンニュートラルへ向けた活動が加速する中、石炭等の炭化水素エネルギー資源の開発や利用が岐路に立たされている。一方で、今後も増加が見込まれている世界的なエネルギー需要の増加に対応するためには石炭等の開発・利用が不可欠である。本企画講演では、炭化水素エネルギー資源の開発・利用に関する最新の動向についてご講演いただき、カーボンニュートラルを目指した炭化水素エネルギー資源の開発・利用のあり方について議論する。

<発表:20分中、講演15分、質疑応答5分/1件>

11:40 〜 12:00

[3101-07-07] 分子動力学法によるカルサイト表面での油濡れ性発達過程の研究

○小林 和弥1、村田 澄彦1 (1. 京都大学)

司会:岡部 修平(JCOAL)

キーワード:石油の増進回収、濡れ性、分離圧、分子動力学法

濡れ性変化による石油の増進回収法では、貯留層の濡れ性を初期濡れ性から変化させ、原油を可動化する。石油貯留層の初期濡れ性は原油との接触による原油成分の吸着によって決定づけられる。油田の成立前は、貯留層は地層水で飽和され完全水濡れ性を示す。油田が発達する段階では原油が孔隙内に侵入し、もともと孔隙内に存在した鉱物表面の水膜を介して吸着する。水膜厚は毛細管圧と分離圧の力のつり合いによって決定づけられ、原油内の吸着質の鉱物表面へのアクセスおよび初期濡れ性もこれにより決定づけられることとなる。濡れ性変化による石油の増進回収には、貯留層の初期濡れ性の起源を解明し、効率的に変化させる必要がある。しかしながら、高毛細管圧、高分離圧条件下での、水膜を介した原油成分の吸着については、知見が不足している。本研究では、分子動力学法を用いて、カルサイト表面での水膜を介した原油成分の吸着について検討した。分離圧は塩構成、原油中の極性分子に依存して変化することが明らかとなった。特にカルボン酸を有する極性分子が油相中に含まれる場合には水膜が不安定となり、原油の油濡れ性が卓越することを示した。