【企画講演】 最新の採掘技術に関するトピック　［9/2(火) AM 　第１会場］

[1101-09-09] 2次元個別要素法（2D-DEM）を用いた鉱石投入による立坑形状変化の解析

○佐藤 晃¹ (1. 熊本大学)

司会：森山 浩（石灰石鉱業協会）

キーワード：2D-DEM、立坑、石灰石、露天掘り鉱山

石灰岩は日本各地に分布しており，秋吉台，平尾台などのカルスト地形や秋芳洞などの鍾乳洞が日本各地に存在し，日本では現在約250の石灰石鉱山が稼働している。一般的に石灰石鉱山の運用期間は極めて長く，開山から閉山に至るまで数十年に及ぶ年月を有する。鉱山の操業中に利用する設備の中でも立坑の運用期間は非常に長く，掘削により小割室など下部施設にベンチが下がるまで運用される。また，立坑が貯鉱スペースとしての機能を有している関係で，一度鉱石が貯鉱された後に立坑内部を空にすることは非常に稀である。しかしながら，立坑運用後には鉱石の投入や払出といった立坑内での鉱石の移動により立坑内部が切削され，運用期間の経過に伴って立坑容積が大きくなっていくことが知られている。そこで本研究では2次元個別要素法(2-dimentional discrete element method，以下2D-DEMと称す)を用い立坑内へ投入されたDEM粒子と壁面との衝突や摩擦により，立坑壁面が崩落する過程をシミュレートする。ここでは，現場の立坑内の条件を考慮して，鉱石の流動パターンの違いに着目して複数のパターンで解析を行い，比較検討を行った。それに加えて，岩盤モデルにき裂を発生させ，健全な岩盤モデルの場合と解析結果を比較することでその影響を検討した。