【ポスター発表】プロセス・素材分野　［9/3(水) 　PM ポスター発表会場］

[P038B] 第一級アミン化合物を用いたロジウム沈殿回収における分子構造と金属選択性の関係

○作田 善哉^{1[修士課程]}、松本 和也¹、畠 勇気²、猪岡 聖² (1. 秋田大学、2. 三井金属鉱業株式会社)

キーワード：白金族金属、沈殿回収、塩酸溶液、第一級アミン

白金族金属(PGM)は固有の物理的性質や化学的性質を有し、電子部品や自動車用排ガス浄化触媒に用いられ産業上重要な金属である。PGMは希少かつ高価なことから二次資源からのリサイクルが求められている。しかし、電子部品の浸出液や銅電解精錬で生じる陽極泥といった銅や鉄が多く含まれる対象からのPGMの定量回収および高純度化の方法は確立されていない。特にロジウムはPGMの中でも優先回収が難しい金属として知られている。当研究室では、第一級アミン化合物を用いることで塩酸溶液からPGMを選択的に沈殿回収できることを報告している。本研究では、芳香族や脂肪族などの様々な第一級アミン化合物を用いた塩酸溶液からのロジウムの沈殿回収について検討を行った。その結果、アミンの構造や塩基性度が沈殿回収における効率および金属選択性に大きく影響することが明らかとなった。また、銅や鉄といったベースメタルが多量に含まれている塩酸溶液からもロジウムの選択沈殿回収が可能であることを見出した。本研究は、ロジウムの沈殿回収プロセスの最適化に向けた新たな知見を提供するものである。