資源・素材2025(札幌)

講演情報(2025年8月7日付 確定版)

一般講演

【一般講演】高温素材プロセッシング [9/4(木) PM  第5会場]

2025年9月4日(木) 13:00 〜 15:10 第5会場 (B1棟1階B12)

司会:大石 哲雄(産業技術総合研究所)、松浦 宏行(東京大学)

●高温素材プロセッシング:乾式製錬,リサイクル,高温における新素材の製造に関する反応,高温溶融塩電解などについて、その熱力学・速度論などの学問的議論を行う。

<発表:20分中、講演12分、質疑応答8分/1件>

13:00 〜 13:20

[3508-13-01] フェロニッケル製錬プロセスのカーボンニュートラル化に向けたリモナイト鉱石の水素還元機構

○林 優樹1[修士課程]、村上 太一1、山下 雄2、高橋 純一2 (1. 東北大学、2. 住友金属鉱山株式会社)

司会:大石 哲雄(産業技術総合研究所)

キーワード:フェロニッケル製錬、水素還元、リモナイト鉱石、ゲーサイト、クロマイト

化石燃料を多量に使用している現行のフェロニッケル製錬プロセスは他の金属製錬プロセスよりもCO2排出原単位が大きく、その削減が求められている。化石燃料を水素で代替することによりCO2排出量の削減が期待できる。原料の低品位化を背景に、これまで乾式製錬にほとんど利用されなかったリモナイト鉱石を活用することが考えられるが、その水素還元挙動については未解明な点が残されている。そこで本研究では、リモナイト鉱石を水素によって還元し、その還元機構を調査した。粉末状のリモナイト鉱石(粒径: <75 µm)を圧粉成形し、タブレット状の試料を作製した。一部の試料は、N2雰囲気で500℃, 3.6 ks保持し、冷却後に真空引きすることにより、内部の結晶水を除去した。試料はN2およびN2-30%H2で、800℃および1000℃で300, 1800, 7200 s処理した。XRDによりリモナイト鉱石中の主な鉱物はGoethiteおよびChromiteと同定され、これらを起点としてFe-Ni合金や金属鉄へ還元されることが確認された。また、フェロニッケル製錬で従来利用されてきたサプロライト鉱石と比べ、リモナイトでは還元が進みにくい現象が認められたが、これはGoethiteからの結晶水解離により、試料内部の酸素分圧が上昇したためであると考えられる。

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