[P-7-04] 骨折観血的手術後,独歩再獲得を目標とした右腓骨遠位端骨折の一症例
【症例紹介】
本症例は,腓骨遠位端骨折と診断された.60歳代の女性である.右に転倒し右足関節を捻ったことにより,受傷した.主訴は「右側方へふらつくことなく歩きたい」であり,ニードを「屋外歩行独歩の安全性・安定性の向上」とした.術後1日目に評価・介入を行った.
【評価とリーズニング】
本症例の独歩では,右立脚初期から中期において,体幹右側方への不安定性が生じておりその不安定性が生じた要因として,歩行時右立脚初期~中期に足部回内位で保持することができず,右足部回外が生じ,さらに距腿関節の回内に伴って下腿外側傾斜が生じ,母趾へ体重が負荷できないことで外側への不安定性が生じている.また,矢状面では,右立脚初期~中期に右足関節底屈による下腿後傾に伴い右膝関節伸展する.同時に股関節伸展が生じ,その後に右股関節屈曲により体幹前傾を伴いながら左下肢が振り出される.検査結果として,関節可動域検査は右足関節外返し5°,右足関節背屈5°であり,徒手筋力検査は,右足関節内返し2,右足関節外返し2,右足関節底屈2であった.つまり,足部外返し筋力低下により母趾が接地しないこと,また足部内返し筋力低下により下腿外側傾斜の制動も困難となり,前足部が接地しない状態で足部回外と距腿関節の回内に伴い下腿外側が生じることで不安定性が生じていると考えた.また,右足関節背屈可動域制限と足関節底屈筋筋力低下により下腿前傾を制動することが出来ないため前足部へ体重移動が困難となることも外側への不安定性につながると考えた.
【介入と結果】
本症例の問題点を改善するため,右足関節背屈のROM訓練,右内返し・外返しの筋力訓練,右足関節底屈の筋力訓練,右側方移動訓練,右ステッピング訓練を実施した.その結果,右前足部が接地した状態で右足部回内による下腿外側傾斜が可能となり,また前足部への荷重が可能となることで足底がしっかりつくことで足部が安定したことで安定性が向上したことで不安定性が軽減したと考えた.
【結論】
今回,足関節に着目して治療を行ったことにより,右足部外返し筋の筋力低下により前足部を回内位で保持することが困難となること,足関節背屈可動域制限により前足部へ体重が乗れないことで,外側への不安定性となり,空間的に体幹右側方への問題につながることを学んだ.
【倫理的配慮、説明と同意】
本発表は当院論理委員会にて承認を得た.患者には本発表について説明のうえ同意を得た.
本症例は,腓骨遠位端骨折と診断された.60歳代の女性である.右に転倒し右足関節を捻ったことにより,受傷した.主訴は「右側方へふらつくことなく歩きたい」であり,ニードを「屋外歩行独歩の安全性・安定性の向上」とした.術後1日目に評価・介入を行った.
【評価とリーズニング】
本症例の独歩では,右立脚初期から中期において,体幹右側方への不安定性が生じておりその不安定性が生じた要因として,歩行時右立脚初期~中期に足部回内位で保持することができず,右足部回外が生じ,さらに距腿関節の回内に伴って下腿外側傾斜が生じ,母趾へ体重が負荷できないことで外側への不安定性が生じている.また,矢状面では,右立脚初期~中期に右足関節底屈による下腿後傾に伴い右膝関節伸展する.同時に股関節伸展が生じ,その後に右股関節屈曲により体幹前傾を伴いながら左下肢が振り出される.検査結果として,関節可動域検査は右足関節外返し5°,右足関節背屈5°であり,徒手筋力検査は,右足関節内返し2,右足関節外返し2,右足関節底屈2であった.つまり,足部外返し筋力低下により母趾が接地しないこと,また足部内返し筋力低下により下腿外側傾斜の制動も困難となり,前足部が接地しない状態で足部回外と距腿関節の回内に伴い下腿外側が生じることで不安定性が生じていると考えた.また,右足関節背屈可動域制限と足関節底屈筋筋力低下により下腿前傾を制動することが出来ないため前足部へ体重移動が困難となることも外側への不安定性につながると考えた.
【介入と結果】
本症例の問題点を改善するため,右足関節背屈のROM訓練,右内返し・外返しの筋力訓練,右足関節底屈の筋力訓練,右側方移動訓練,右ステッピング訓練を実施した.その結果,右前足部が接地した状態で右足部回内による下腿外側傾斜が可能となり,また前足部への荷重が可能となることで足底がしっかりつくことで足部が安定したことで安定性が向上したことで不安定性が軽減したと考えた.
【結論】
今回,足関節に着目して治療を行ったことにより,右足部外返し筋の筋力低下により前足部を回内位で保持することが困難となること,足関節背屈可動域制限により前足部へ体重が乗れないことで,外側への不安定性となり,空間的に体幹右側方への問題につながることを学んだ.
【倫理的配慮、説明と同意】
本発表は当院論理委員会にて承認を得た.患者には本発表について説明のうえ同意を得た.
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