[P-108-C] プレガバリン口腔内崩壊錠(OD錠)の服薬アドヒアランスに影響を与える服用因子に関する実態調査
【目的】わが国の神経障害性疼痛の有病者数は2000万人とされ、患者の多くは高齢者であり、錠剤やカプセルが飲みにくい場合や併用薬剤が多いなど服薬アドヒアランスの低下が懸念される。当薬局は整形外科からプレガバリンOD錠の処方を多く応需する。OD錠は嚥下機能が低下した患者に有用な剤形である一方、口腔内で崩壊するため苦味は時として患者の服薬アドヒアランスを低下させることもあるため、服薬アドヒアランスに影響を及ぼす因子を調査した。【方法】調査期間:2021年6月~7月。プレガバリンOD錠が処方された患者110名を対象に薬歴より、研究対象者の背景:性別、年齢を調査した。また、服薬指導時に味、服用のしやすさ、剤形に対する希望を聞き取りした。【結果】対象者110名の平均年齢は65.4歳、男女比は3:7であった。OD錠は服用しやすいが90%、服用しにくいが10%、服用しにくいと答えた理由として溶け始めは気にならないが全部溶けると苦いがあった。OD錠の味が気になるが12%、気にならないが88%、気になると答えた理由として口腔内で崩壊することに対する違和感やOD錠の甘みがあった。また、苦味を感じているが6%であった。剤形に対する希望では、口腔内へ付着してほしくない、義歯へ挟まらないように改良してほしいなどがあった。また、調査において5名の患者は自己判断で服薬を中止した。【考察】対象者110名のうち1)10%が服用しにくい、2)12%がOD錠の味を気にしている、の調査結果より、OD錠の特性や味をわかりやすく伝えることで服薬継続に貢献できると考えられた。また、3)苦味を感じた6%(6名)のうち、65歳以上の高齢者が1名で、嚥下機能の低下により口腔内滞留時間が長かったとも考えられる。このことから高齢者にはOD錠の服薬状況を配慮した服薬指導が必要であると考えられた。5名の自己判断による服薬中止対象者には今後、個別に中止理由を伺い、それぞれ服薬継続の方策を考えたい。