第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2023年10月9日(月) 14:50 〜 15:30 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-033-C] クオール薬局中部エリアにおける、ポリファーマシー解消に関わる提案事例の検証

佐藤 洋助 (クオール(株)中部薬局事業本部)

【目的】
 医療機関と連携したポリファーマシー解消に関わる対策は、薬局薬剤師の責務である。2022年9月末時点で、直近6か月間における、クオール薬局の中部地区53店舗のポリファーマシー解消に関わる提案件数は8例と少なく、ポリファーマシーに関連した問題点の存在があることが考えられる。今回、その問題点の解消に向けた勉強会と、提案事例についての検証を報告する。
【方法】
 2022年10月、中部地区の薬剤師向けに、ポリファーマシーに関連した問題点の解消に向けた勉強会を実施。内容は、薬局薬剤師が取り組む意義、事例共有、情報提供書の記載方法とした。実施6か月後における提案事例数の推移と、1年間における提案事例の薬効、提案根拠、処方変更の有無を追跡調査した。
【結果】
 6か月間の提案数は8例から37例へと増加した。計45例において、薬効は多い順に、下剤を除く消化器系薬剤が21例、循環器系薬剤が6例、下剤が4例、と続いた。提案根拠は、同効薬の重複処方が19例、患者の体調変化が10例、漫然投与が疑われるものが3例、各種ガイドラインが3例、と続いた。
 処方変更を確認できたものは24例(53.3%)であり、薬効は下剤を除く消化器系薬剤が13例、循環器系薬剤が4例、排尿障害治療薬が2例、と続いた。提案根拠は、同効薬の重複処方が12例、患者の体調変化が6例、副作用防止用の薬剤の削除が2例、漫然投与が1例、各種ガイドラインが1例、と続いた。
【考察】
 消化器系薬剤の事例数が多いのは、同効薬が処方される頻度が多いこと、体調変化から、減薬提案をしやすいためと考えられる。提案根拠別の処方変更割合は、「同効薬の重複処方」と「体調変化」が60%以上であるのに比べ、漫然投与やガイドラインに基づく例は40%に満たず低い。この結果は、まだ提案例が少なく今後の検証が必要であると考えられるが、重複投薬、体調変化に比べて処方医の合意を得ることが難しいことが考えられる。