一般演題（ポスター）Bグループ

[P-089-B] フロンティア薬局福島店における医療機関への情報提供内容の標準化

^○田中 里依¹, 西野 円香², 西風 香那³, 向井 正幸⁴, 服部 翔⁵ (1.フロンティア薬局大和高田神楽店, 2.福島店, 3.一津屋店, 4.北古市店, 5.（株）フロンティア大阪支店)

【目的】
薬局薬剤師業務では医療機関へ情報提供を行う重要性は高い。しかし、報告対象患者や状況は個々で判断するため、情報提供内容のバラつきを減らすためには事例分析が不可欠と考えられる。今回トレーシングレポート(TR)内容の充実を目的に情報提供内容を分析し、標準化と定着を図ったのでその結果を報告する。
【方法】
調査期間は2021年1月1日から2022年12月31日とし、TR報告件数および情報提供内容による分類集計を行い年ごとに比較した。情報提供内容は処方提案型TR、情報提供型TR、医療機関からの情報提供依頼があったものとして依頼型TRの3種類として分類した。2022年からは前年に報告頻度の多かった事例の文言集を作成し、さらに月に1度TR内容と課題について店舗で共有した。
【結果】
2021年のTR報告件数は141件で処方箋受付枚数に対する割合は約1%、そのうち依頼型TRが最も多く95件、処方提案型TRは25件、情報提供型TRは21件であった。作成した文言集は減薬・減量提案、調剤手段の変更、後発品変更希望、剤形・規格・類似薬への変更といった、処方提案型の内容とした。2022年はTR報告件数402件で処方箋受付枚数に対する割合は3%となり、最も多かったのは処方提案型TRで180件と前年の7.2倍に、情報提供型TRは119件で5.7倍に増加した。一方、依頼型TRは103件と前年の1.1倍で変化がみられなかった。処方提案型TRの内訳としては、前年と比較して減薬提案事例が8件から37件、調剤手段の変更提案が2件から28件、剤形変更や類似薬変更等の提案事例が5件から75件と顕著に増えていた。
【考察】
2021年のTR内容から文言集を作成し、2022年は毎月の事例を店舗内で情報共有することで各薬剤師の知識量が増え、情報提供数の増加につながったと考える。報告したTR内容は診察時に患者から医師へ伝えられていない情報がほとんどであり、これらを適正に処方提案や情報提供につなげることで治療の質向上に寄与できると考えられた。