第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2023年10月9日(月) 14:00 〜 14:40 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-131-B] 医療的ケア児に対する在宅医療場面における保険薬局の健康サポート機能の一考察

木崎 公一1, 柴田 平四郎2 (1.(株)ココカラファインヘルスケア ココカラファイン薬局緑ヶ丘店, 2.紀伊長島店)

【目的】
2022年度の調剤報酬改定により小児特定加算が新設された。これは医療的ケア児の調剤で配慮すべき薬学的管理について評価するものである。医療的ケア児は24時間看護が必要であることも多く、その場合看護者は患者の傍を離れられない。今回、薬学的管理に加え、健康サポート機能の観点から小児在宅医療に関わった事例を経験したので、今後の医療的ケア児に対する対応方法を共有するために報告する。  
【症例】
2歳女性寝たきり。胃瘻。看護者の服薬介助の負担軽減に加え、看護者が患者の傍を離れにくく生活必需品を購入する機会を得にくいことから、次の介入を行った。薬学的管理の観点から、1,配合変化を考慮した上で液剤の薬剤を散剤に変更し可能な限り合包して調剤、2,光安定性及び吸湿性を考慮し分割調剤の導入、健康サポート機能の観点から、3,シリンジ等の医療材料や生活必需品の手配及び配達、4,災害時の緊急対応体制の構築、を実施した。4,を実施することで看護者の外出時間の捻出について保険薬局が代替することができた。【考察】
1及び2については小児特定加算における算定要件でもあるが、3の関わりが無ければ医療的ケア児が自宅療養はすることは困難であったと考えられる。医療的ケア児においては多種多様な医療材料を扱うケースが多いこと、「医療材料の量が多いので助かります」と看護者からの声も得られたことから、保険薬局が薬学的管理の観点だけでなく、健康サポート機能の観点から小児在宅医療に関わることは重要である可能性が示唆された。保険薬局の役割として小児服用薬剤に対応することも大切ではあるが、看護者は24時間看護されており看護者への気遣いというのが重要であると考えられる。