第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2023年10月9日(月) 14:50 〜 15:30 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-192-C] 薬局事務が主催するオンラインでの健康情報発信の取り組みについて

山下 郁子1, 原 陽子1, 西村 碧1, 渡邉 臣子2, 長元 邦博2 (1.総合メディカル(株)そうごう薬局 梅田北店, 2.総合メディカル(株))

【目的】
当薬局では2019年より、薬局事務が中心となって健康イベントを企画し参加者との交流を行ってきたが、新型コロナウイルス感染拡大や参加者の高齢化などで同じ運用での継続が困難となった。そこでオンライン健康イベントやメッセージ機能による情報配信を開始することとなった。今回は運用にあたっての課題を検討したので報告する。
【方法】
2021年7月より、オンライン健康イベントの開催案内を連絡する手段として当薬局のLINEアカウントを開設し、同時に登録者に薬剤師や栄養士などによる健康情報の配信を開始した。内容は季節に合わせた健康情報や栄養士による食生活に関する情報など月1~2回配信。またオンライン健康イベントは2ヶ月に1回程度、約40分間で実施し、薬剤師だけでなく薬局事務による食生活の注意や災害時対応の講義など、生活に沿った情報提供も行った。講義は後日、店舗でもビデオとして放映した。
【結果】
2023年5月までにLINEアカウント登録は170名を超え、健康情報を薬剤師11回、栄養士14回配信した。オンライン健康イベントは10回開催し、各回の参加者は6~8名であった。現地開催と比較して会場設営が不要なこと、離れた店舗の薬剤師が移動なく講義できるなどの利点があった。イベント参加者からは、外出しづらい状況でも気軽に参加できるなどの反応があった。課題として、高齢者へのLINEやZOOMアプリのダウンロードや操作方法説明があり、中には自宅のWi-Fi通信環境を訪問して確認した患者もあった。また画面越しでの質問の際、高齢の参加者の反応を確認する方法に難しさがあった。
【考察】
外出機会が制限される高齢者にとって、自宅で継続的に健康情報に触れられるオンライン配信は薬局と患者を繋ぐ一助となることが示された。一方で、高齢者のデバイス対応や反応確認などに課題も見られたことから、店舗内での情報提供と併せて、個々に合った方法で健康支援する必要があると考察した。