[1P-1] ポスター1（1P-01ー1P-48）

[1P-18*] スクアレン合成酵素に類似した放線菌由来カルバゾールプレニル基転移酵素の結晶構造と反応機構

^○末宗 周憲¹, 永田 隆平^2,3, 小林 正弥², 品田 哲郎⁴, 西山 真^5,6, 葛山 智久^2,6, 佐藤 裕介¹, 日野 智也¹, 永野 真吾¹ (1.鳥取大院工, 2.東大院・農生科, 3.日本学術振興会特別研究員PD, 4.大阪市大・理, 5.東大・生物工学セ, 6.東大・CRIIM)

最近、放線菌が生産する神経保護物質として知られる、カルキノスタチンAの生合成経路の全容が明らかとなり、スクアレン合成酵素 (SQS) と相同性を示すCqsB4がカルバゾール環をジメチルアリル化して最終生成物を生産することが報告された。またCqsB4と70%の相同性を示すLvqB4も同様な反応を触媒することが明らかとなっている。そこで本研究ではこれらのSQSに類似した新規カルバゾールプレニル基転移酵素の構造機能相関を解明するため、二種の酵素の変異体解析およびLvqB4のX線結晶構造解析を行った。 二つの酵素の大量発現と高純度試料調製を行い、結晶化スクリーニングによりLvqB4でプレニルアクセプター結合型の良質な単結晶が得られた。プレニルドナー類縁体溶液へ浸漬することで三者複合体結晶を作製し、Se-SAD法によって1.8 Å分解能で位相決定した。全体構造はSQSと類似しており、保存されているAspリッチモチーフも同様の位置に存在していた。プレニルドナー類縁体の結合様式もSQSと同様にAsp側鎖にMg²⁺イオンを介して結合していた。一方、芳香族プレニル基転移酵素と同様にプレニルアクセプターの修飾位置の直上に平行してプレニルドナー類縁体が配置されていた。これらのことからLvqB4は、基質結合様式はSQSでありながら、反応様式は芳香族プレニル基転移酵素であるハイブリッド型酵素であると提案できる。発表では変異体解析の結果と考察についても報告する。