17:15 〜 18:45
[S09P-24] 鳥取県西部地震震源領域における高精度メカニズム解と非ダブルカップル成分検出
我々は2000年に発生した鳥取県西部地震震源領域に約1000点の地震計を設置し、2017年3月から約1年間観測を行った。発生した地震のイベントのメカニズム解を推定したところ、ダブルカップル型では十分に説明できない極性のミスフィットが節面、ヌル軸付近に確認された。林田他, 2019, JpGUにおいて、tensile crackや複数破壊も仮定することで、非ダブルカップル型のメカニズム解を推定することができている。そこで、本研究では、林田他, 2019, JpGUで解析されているイベントを用いて、Matched filter法(MF法)を用いて、ごく近傍のイベントを検出し、ダブルカップル型と非ダブルカップル型の地震で特徴を探ることを目的とした。
本研究では、0.1満点観測で得られた約1000点の上下動成分の地震計の連続波形記録を使用した。テンプレート地震として林田 他, 2019, JpGUで解析されているイベントを用い、イベント検出基準は合計した相関係数が全観測点数の20%以上とした。さらに、検出したイベントについて、各観測点で独立に検出時刻から±1秒の幅で波形相関をとり、最も大きい相関係数の値とその時の時間差Δtを計算した。検出されたイベントの震源を、Δtとテンプレート地震の震源位置から、マスターイベント法(ME法)を用いて相対的に決定した。
テンプレート地震発生日の前後3日間で、MF法、ME法による解析を行った。その結果、マスターイベント付近で発生した地震の震源を決定することができた。また、それぞれのイベントにおいて相関係数を観測点にコンターマップに示すことで、テンプレート地震とスレーブ地震とのメカニズム解の違いを把握することができた。特に、非ダブルカップル成分の割合の違いによって、ヌル軸付近に相関の値が小さいイベントや、メカニズム解が違うイベントを確認できた。
謝辞 本研究は平成26–30 年度文部科学省新学術研究領域「観察・観測による断層帯の発達過程とミクロからマクロまでの地殻構造の解明」(代表:竹下 徹、課題 番号26109004)によって助成されました。
本研究では、0.1満点観測で得られた約1000点の上下動成分の地震計の連続波形記録を使用した。テンプレート地震として林田 他, 2019, JpGUで解析されているイベントを用い、イベント検出基準は合計した相関係数が全観測点数の20%以上とした。さらに、検出したイベントについて、各観測点で独立に検出時刻から±1秒の幅で波形相関をとり、最も大きい相関係数の値とその時の時間差Δtを計算した。検出されたイベントの震源を、Δtとテンプレート地震の震源位置から、マスターイベント法(ME法)を用いて相対的に決定した。
テンプレート地震発生日の前後3日間で、MF法、ME法による解析を行った。その結果、マスターイベント付近で発生した地震の震源を決定することができた。また、それぞれのイベントにおいて相関係数を観測点にコンターマップに示すことで、テンプレート地震とスレーブ地震とのメカニズム解の違いを把握することができた。特に、非ダブルカップル成分の割合の違いによって、ヌル軸付近に相関の値が小さいイベントや、メカニズム解が違うイベントを確認できた。
謝辞 本研究は平成26–30 年度文部科学省新学術研究領域「観察・観測による断層帯の発達過程とミクロからマクロまでの地殻構造の解明」(代表:竹下 徹、課題 番号26109004)によって助成されました。