日本地震学会2023年度秋季大会

講演情報

ポスター会場(2日目)

特別セッション » S21. 情報科学との融合による地震研究の加速

[S21P] PM-P

2023年11月1日(水) 17:00 〜 18:30 P3会場 (F205・6側フォワイエ) (アネックスホール)

[S21P-09] 時空間データに対する高速な平滑化法と地震波動場再構成への応用

*寺田 吉壱1,2、松井 秀俊3、長尾 大道4 (1. 大阪大学、2. 理化学研究所、3. 滋賀大学、4. 東京大学地震研究所)

計測技術の発展に伴い, 時空間データの取得が容易になっている. 様々な分野で時空間データの解析の重要性が増している.本発表では, 限られた観測地点の時系列データから未観測時点の時系列データを予測・補完する時空間データに対する平滑化問題を扱う. 一般に, 時空間データに対する平滑化法は, 計算コストが高いという問題点がある. 例えば, クリギング法では, 未観測地点ごとにパラメータを推定する必要があり, 地震波動場再構成への応用では計算コストが問題となる. また, クリギング法は定常性の仮定が適切ではない場合に, 精度が良くない. そこで, 本研究では, 未観測地点ごとのパラメータ推定を必要としない基底関数展開に基づく平滑化法に注目する. まず, いくつかの既存の平滑化法を統一的な視点から俯瞰し, それらの関連性を明らかにする. そして, 直交化した基底関数を用いた高速な平滑化法を提案する. 数値実験を通じて, 既存手法と比較を行うことで, 提案手法を用いることで推定精度を落とさず大幅な高速化が可能となることを示す. また, 提案手法を長周期地震動に対する地震波動場の再構成問題へと応用する.