日本地震学会2024年度秋季大会

講演情報

B会場

一般セッション » S09. 地震活動とその物理

[S09] AM-1

2024年10月22日(火) 09:00 〜 10:30 B会場 (3階中会議室301)

座長:高木 涼太(東北大学大学院理学研究科)、中島 淳一(東京工業大学)

09:00 〜 09:15

[S09-11] 東京湾北部の地震の巣:海山の沈み込みが原因か?

*中島 淳一1 (1. 東京工業大学理学院地球惑星科学系)

首都圏の地下には、多くの地震巣(近くの活動から隔離された地震活動が非常に集中している領域)が存在する。その中で最も活発な活動は東京湾北部の深さ60–70 kmに存在する太平洋プレート上部境界面で発生する地震の巣であり、過去約 20 年間の最大の地震は M6 である。一方で、1894 年の明治東京地震 (M7.0) はこの地震の巣の周辺で発生したという指摘もある。波形相関を用いた震源決定を行ったところ、地震の巣は半径約 10 km の円状の地震分布をしており、地震の並びは沈み込む太平洋プレートの平均傾斜角よりわずかに急であるという特徴が明らかになった。さらに、地震発生の特徴は空間的に異なり、第 2 象限ではプレート界面地震が多く、第 3 象限ではプレート界面地震が少なく、第 4 象限では M≧5 の地震が発生している。講演では地震活動の特徴を詳細に示した上で、東京湾北部の地震の巣の原因として海山の沈み込みを提案する。