2016年秋の大会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 203-3 ビーム利用・ターゲット

[2N10-16] 材料・デバイス分析

2016年9月8日(木) 14:45 〜 16:40 N会場 (くるめりあ六ツ門 会議室)

座長:堀 順一(京大)

15:15 〜 15:30

[2N12] 薄い試料の電子線パルスラジオリシスの開発

*近藤 孝文1、神戸 正雄1、大島 明博2、菅 晃一1、楊 金峰1、吉田 陽一1 (1.阪大産研、2.阪大院工)

キーワード:電子加速器、パルスラジオリシス、放射線化学

電子線を用いた材料の改質や、グラフト重合による材料の機能化、次世代レジスト薄膜における潜像形成は、薄膜や材料の表面・界面で起きる放射線化学反応を基にしており、薄い試料の放射線化学反応をパルスラジオリシスで直接観測することがのぞまれている。しかしながら、高エネルギー電子線と薄い試料の相互作用は非常に小さいので、困難である。本研究では、薄膜を用いた場合の電子線パルスラジオリシスについての幾つかの試みを報告する。①フォトカソード高周波電子加速器を用いた場合、電子ビームを強く収束することで電子密度の増倍を図り、活性種濃度を増加させる。②大強度熱電子銃加速器を用いた場合、電荷量を大きくすることで、活性種濃度を増倍する。③低エネルギー電子線照射装置を用いると、材料中のエネルギー付与が大きくなり、電子あたりの活性種の発生数を増倍することができる。これら種々の方法で薄い試料のパルスラジオリシスを開発しており、発表では実験結果を含めて報告する。