2016年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 306-1. 原子力安全工学(原子力施設・設備,PSAを含む)

[1I01-04] 福島原発事故

2016年3月26日(土) 10:00 〜 11:00 I会場 (講義棟B棟 B200)

座長:石田 直行(日立)

10:30 〜 10:45

[1I03] 全電源喪失時における操作員による原子炉状況把握技術の提案

(3)福一・1号機IC水位記録の考察

*米山 潔1、渡邊 一男2 (1.H.O.米山、2.WNR-Cx 渡邊研究処)

キーワード:1号機、IC、RPV水位、チャート記録、崩壊熱

福一事故時に1号機ICは地震から津波までの間、マニュアル通りに作動していたと公式に報告されている。しかし、現場感覚である「訓練していない装置は動かさない。動いても代替方法があれば停止し、そちらを優先する。」に反する。本当にICが作動していたか否かを検証するために、水位記録に集中して分析した。先ず、RPVの圧力と水位の関係を求めるべく、簡単な解析モデルにより計算式を誘導した。この計算によれば、スクラム後にRPVが孤立化した上でICが作動すれば、水位は下降するが上昇はありえないことを示している。ところが水位記録を観察すると、水位上昇が発生していることが認められる。これはありえない。この水位上昇はSRV作動時の突沸と考えるべきである。その例は2号機の記録に表れている。IC作動説を裏付ける根拠は解析シミュレーション結果である。プログラムが実際を反映しない誤りは多い。解析も含めて見直しを要求したい。