2018年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 502-1 原子炉材料,環境劣化,照射効果,評価・分析技術

[2C08-11] 照射効果1

2018年9月6日(木) 14:45 〜 15:50 C会場 (B棟 B21)

座長:松川 義孝(東北大)

15:30 〜 15:45

[2C11] フィルタベント装置の長期運用時における放射性セシウムの吸着挙動

*仲田 萌子1、戸苅 陽大1、周 啓来2、波多野 雄治3、大矢 恭久1 (1. 静大院、2. 静大理、3. 富山大水素研)

キーワード:フィルタベント、ステンレス、放射性セシウム

東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故以降、フィルター付き格納容器圧力逃がし装置(フィルタベント)が日本の原子炉に設置されている。原子力発電所事故が発生した場合、炉心の回復が最優先であるため、フィルタベントによって捕集される放射性物質はフィルタベント中に長期間保存される。その結果、吸着した放射性物質は高線量の環境に長時間晒され、フィルタベント構造材との間に放射線誘起効果をもたらす。本研究では種々の条件下で、水酸化ナトリウム(NaOH)で塩基性にした塩化セシウム(CsCl)溶液にSUS316Lを浸漬した後、窒素ガスフローを行い、ゲルマニウム半導体検出器を用いて放射性Csの除去量を評価した。これによりNaOH浸漬によって放射性Cs捕捉が促進される一方で、ガンマ線照射はSUS316L上の放射性Cs捕捉能力を低下させることが示唆された。さらにX線光電子分光分析法(XPS)を用いて試料の表面化学状態を分析した他、Csの吸収に対するpHおよび温度依存性を評価した。