2018年秋の大会

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VII. 保健物理と環境科学 » 保健物理と環境科学

[2K05-09] 放射線管理と放射線防護2

2018年9月6日(木) 10:35 〜 12:00 K会場 (B棟 B41)

座長:永井 晴康(JAEA)

11:35 〜 11:50

[2K09] アルカリ塩化物を用いたセシウムフリー鉱化法による土壌除染:反応剤のカチオン価数に依存したCs除去過程

*下山 巖1、小暮 敏博2、奥村 大河2、馬場 祐治1 (1. 日本原子力研究開発機構、2. 東京大学)

キーワード:セシウム、土壌除染、熱処理、粘土鉱物

我々は土壌除染の新たな手法としてセシウムフリー鉱化法(CFM)を提案している。CFMでは反応剤との化学反応による粘土鉱物の相変態を通してCsを除去することで、熱処理の処理温度を従来よりも大幅に低下させることができるが、反応剤に用いられる塩化物試薬のカチオンの価数により、除染効率が異なることを見いだした。この原因を調べるため、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2の4つの試薬を反応剤として用いた場合の粘土鉱物の構造変化をx線回折により調べ、除染効率との関係を調べた。その結果、2価カチオンでは粘土鉱物の相変態を誘起するのに対し、1価カチオンでは粘土鉱物の結晶構造を保ったまま、イオン交換を通してCsが除去されることを明らかにした。