2018年秋の大会

講演情報

一般セッション

VI. 核融合工学 » 601-5 核融合中性子工学

[2N01-05] 中性子利用

2018年9月6日(木) 09:45 〜 11:05 N会場 (D棟 D23)

座長:松浦 秀明(九大)

10:15 〜 10:30

[2N03] 核融合中性子によるLLFP処理

(3)マッハ衝撃波面を標的とするインフライト・ミュオン触媒核融合中性子源

*佐藤 元泰1、木野 康志2、棚橋 美治1、山本 則正1、高野 廣久1、武藤 敬1、藤田 明希3、飯吉 厚夫1、松原 章宏1 (1. 中部大、2. 東北大学、3. 科技研)

キーワード:ミュオン、新核融合炉概念、ラバールノズル、ガス標的、中性子

木野らは、ミュオン核融合の核融合の反応断面積は、1.4 keV の重水素・3重水素イオンを標的として2000バーンに達することを理論的に示した。この通常の磁気核融合より二桁以上大きい断面積を用いる核融合炉の概念を提示する。数密度1021 cm-3、標準状態で約30気圧のガス標的を中空に保持し、これにミュオンを打ち込むと同時にレーザーによってプラズマを作る。ミュオン・プラズマ核融合が起生し、発生するアルファ線によって、標的中に必要なイオンが形成される。ミュオンと重水素−三重水素混合ガスだけで定常的に核融合を持続させることができる。
高密度ガスを中空に保持するために、ラバールノズル中に励起されるマッハ衝撃波の波面を利用する。核融合反応領域を電磁力ではなく、斜め衝撃波マッハ衝撃波という空力的な方法で保持する。複雑な磁場コイルも、真空容器も、極低温も不要になる。この構造は、よく知られたラムジェットエンジンの炭化水素燃焼を核融合に置き換えたものであり、熱力学的には、ジェットサイクルに極めて類似の熱機関であり、もし、このコンセプトが実証されるならば、LLFPの処理のみならず、核融合炉の研究に、磁気核融合、慣性核融合、低温ミュオン核融合に次ぐ、第4の核融合研究分野を拓くかもしれない。