2019年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-2 放射性廃棄物処分と環境

[1C11-15] 核種移行1

2019年9月11日(水) 15:35 〜 16:55 C会場 (共通教育棟 1F C13)

座長:桜木 智史(原環セ)

15:50 〜 16:05

[1C12] 緑泥石および絹雲母への過飽和ケイ酸の析出挙動に及ぼす共存イオンの影響

*齋藤 聖史1、千田 太詩1、新堀 雄一1 (1. 東北大学)

キーワード:放射性廃棄物処分場、過飽和ケイ酸、析出挙動、緑泥石、絹雲母、変質鉱物

放射性廃棄物処分場周辺の地下環境では、処分場建設に使用されるセメント系材料からの成分溶出により地下水が高pH化することが懸念される。高pH条件では地下水流路表面のケイ酸塩鉱物からケイ酸が溶出する一方、分散や希釈により地下水のpHが8程度まで低下してケイ酸が過飽和になり、流路表面に析出すると予想される。そして、このようなケイ酸析出に伴う地下水流路の狭隘化により、核種移行が抑制される可能性がある。本研究では、析出対象となる鉱物として地下に遍在する熱水変質鉱物である緑泥石および絹雲母を想定し、ケイ酸析出挙動を析出実験により調べた。加えて、地下環境に予想されるCaイオンなどの共存イオンがケイ酸析出挙動へ及ぼす影響に着目した。その結果、緑泥石や絹雲母に対しても過飽和ケイ酸が有意に析出するとともに、Caイオン濃度が大きいほど析出速度が大きくなることが示された。