2019年秋の大会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 202-1 放射線挙動,遮蔽工学

[1N04-07] 遮蔽実験

2019年9月11日(水) 10:50 〜 11:55 N会場 (共通教育棟 3F A32)

座長:上蓑 義朋(清水建設技研)

10:50 〜 11:05

[1N04] 可搬型加速器中性子源RANS-Ⅱの遮蔽性能研究

*橘 雅人1、小林 知洋2、池田 裕二郎2、大竹 淑恵2、河原林 順1、羽倉 尚人1 (1. 東京都市大学、2. 理化学研究所)

キーワード:可搬型加速器、中性子源、モンテカルロ粒子輸送計算コード、放射線遮蔽

インフラ構造物の劣化診断技術要請に応えるため、理化学研究所の加速器小型中性子源RANSを用いた中性子の診断技術開発が進められている。屋外作業となるインフラ構造物劣化診断には、更なる中性子源の小型化が必須であり、可搬型中性子源のプロトタイプRANS-Ⅱの開発が開始された。中性子発生にはLi標的に2.5 MeV陽子を入射する7Li(p,n)7Be反応を採用した。この反応は比較的低い陽子エネルギーで中性子発生が可能で、発生する中性子エネルギ-が低く、中性子源全体重量を小さくできる利点がある。本研究は、RANS-Ⅱの開発を通して、粒子輸送計算コードPHITSによる遮蔽性能の系統的な検討により可搬型中性子源遮蔽体の軽量化を最適化することを目的とする。検討の結果、減速能の高いポリエチレン、熱中性子の吸収効率の高いボロン及びγ線の吸収効率の高い鉛を材料とし、遮蔽体構造10cm厚のボロンドープしたポリエチレンと5cm厚の鉛の各2層構造が、線量と全体重量の両者を最適にすることが示した。