[1O01-07] 先進的なPRA手法

[1O07] 連続マルコフ過程モンテカルロ法およびベイジアンネットワークを用いた広域リスク評価手法に関する研究

(2)広域リスク評価モデルの試構築

*張 承賢¹、山口 彰¹、泥谷 雅之²、宮原 景朋²、豊嶋 謙介²、新崎 聡司² (1. 東京大学、2. 株式会社原子力エンジニアリング)

キーワード：連続マルコフ過程モンテカルロ法、ベイジアンネットワーク、複数トサイトリスク、広域リスク

大規模災害時における複数の原子力発電所（サイト）での同時発災やサイト外部からの支援を考慮し、複数サイト事故の影響を広域的、広義的に捉えた広域リスクの評価と、それを踏まえた対策による原子力発電所の安全性向上が期待される。

複数ユニット事故及び複数サイト事故における特徴をイベントツリーやフォールトツリーを用いて評価することは困難なため、動的な複数ユニットリスク評価及び広域リスク評価の手法を提案した。本手法では、ベイジアンネットワークによるモデル化する機器や操作等の構成要素の状態遷移確率の算出、マルコフ過程によるプラントの事故進展状態の想定、及び、モンテカルロ法によるシナリオ分岐の決定により、構成要素間の相互作用を考慮した1つの固有な事故シナリオを作成する。モンテカルロ法により固有な事故シナリオを持ったサンプルを多数作成し、それらを統計的に解析することで事故シナリオの評価を行う。

本報では、ツインユニットシステムを有するサイトについて緊急支援センターの影響を考慮した広域リスク評価を実施した。