2019年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-1 放射性廃棄物処理

[2A01-05] 液体廃棄物処理1

2019年9月12日(木) 14:45 〜 16:05 A会場 (共通教育棟 1F C11)

座長:宇留賀 和義(電中研)

15:30 〜 15:45

[2A04] タンニン酸系有機複合吸着剤の開発と高度浄水処理設備への応用

*立花 優1、野村 雅夫2、野上 雅伸3 (1. 長岡技科大、2. 東工大、3. 近大)

キーワード:タンニン酸、陰イオン交換樹脂、有機複合吸着剤、オゾン、同時分離

タンニン酸と陰イオン交換樹脂をメチレン架橋させた有機複合吸着剤(PA316TAS)を開発した。PA316TASを用いて河川水中における12種類の模擬放射性核種(SRs)の吸着脱離挙動を調べた結果、Mn, Co, Sr, Cs, Baはタンニン酸側に、Y, Ru, Rh, Sb, Te, Eu, I, IO3はタンニン酸及び陰イオン交換樹脂側双方にそれぞれ吸着することがわかった。また、PA316TASは、検討したpH領域において中性の電荷を持つTeとSb化学種に対して高い吸着能力を持つことを確認した。さらに、SRsとPA316TASとの間の吸着平衡反応の温度依存性を検討した結果、予想した通り、Mn, Co, Sr, Cs, Baはプロットの形が直線となるが、Y, Ru, Rh, Sb, Te, Eu, I, IO3のプロットは折れ曲がった形となることがわかった。前者は少なくとも吸着機構が1つ、後者は最低でも吸着機構が2つ存在することを示唆している。PA316TASは希釈及び濃縮河川水中のSRsに対しても高い吸着能力を維持できた。PA316TASに対するI(IO3も含む)の飽和吸着量を調べた結果、他の吸着剤の報告値を遥かに上回っていた。