2019年秋の大会

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VII. 保健物理と環境科学 » VII. 保健物理と環境科学

[2D01-05] 放射線医学と生物影響

2019年9月12日(木) 09:30 〜 10:55 D会場 (共通教育棟 1F D12)

座長:秋吉 優史(阪府大)

10:00 〜 10:15

[2D03] α線治療のためのHeイオンマイクロビームDNA照射分析の基礎研究

*酒井 雅哉1、池田 時浩2、柴田 淳史3、竹本 健人1、上坂 充1 (1. 東大、2. 理研、3. 群馬大)

キーワード:Heイオンマイクロビーム、ガラスキャピラリー、細胞照射、DNA修復、α線治療

がんの治療法の一つに放射線療法があり、粒子線治療は、生体内で光子線と比較して正常組織への被曝を最小限に抑え、がんの病巣部にピンポイントで照射できるというメリットがある。しかし、重粒子線の生体影響はいまだ解明されていないことも多い。本研究の目的は、1つ1つの細胞に対する照射が可能である、ガラスキャピラリーマイクロビームを用いて個々の細胞に対する放射線被ばく量とDNA損傷量を正確に測定し、細胞のDNA修復分子動態・細胞運命決定を解析することである。今回、ペレトロン加速器を用いたHe2+ガラスキャピラリーマイクロビーム照射にて、DNA損傷の可視化実験を実施する。マイラーフィルムを用いたLETが異なるマイクロビームによりマクロ的なDNA損傷分布の違いを可視化し、さらには、修復タンパク質XRCC1の分布のタイムラプス観察を行う。本実験に基づき、DNA損傷された個々の細胞に対する正確なLETとDNA損傷量、その後の細胞運命決定の考察を行う。