2019年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 502-1 原子炉材料,環境劣化,照射効果,評価・分析技術

[2H01-04] 原子炉圧力容器

2019年9月12日(木) 10:45 〜 11:55 H会場 (共通教育棟 2F B21)

座長:藤井 克彦(INSS)

11:15 〜 11:30

[2H03] 平成30年度原子炉圧力容器及び炉内構造物の照射影響評価手法の高度化

(3)Zion発電所1号機圧力容器廃炉材の板厚方向各部におけるミクロ組織変化

*小林 知裕1、西田 憲二1、山本 真人1 (1. 電中研)

キーワード:圧力容器鋼、Zion発電所1号機、廃炉材、アトムプローブ、板厚方向減衰

米国で廃炉となったZion発電所1号機の原子炉圧力容器を対象とし,板厚の各部から採取した試験片について,アトムプローブにより溶質原子クラスター形成を評価した。容器内表面から板厚1/4深さ付近の6か所,板厚3/4深さと外表面付近に位置する計2箇所から採取した何れの試験片も,鉄を主体にニッケル,マンガン,シリコンおよび銅を含むクラスターが形成していた。各試験片中のクラスターの平均直径は2.8~2.9 nmであり,ほぼ同程度であったが,クラスター数密度および体積率は容器内表面側から採取した照射量の高い試験片の方が若干高い結果となった。Zion発電所圧力容器鋼と2016年度までに得られたJRQ材は,照射量および中性子束が共に減衰している条件で照射されているが,両材料におけるクラスター形成の照射量および中性子束依存性は,これまでに監視試験片および試験炉照射材に対して報告されている照射量および中性子束依存性と同様の傾向を示していた。