2019年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 502-1 原子炉材料,環境劣化,照射効果,評価・分析技術

[2H09-14] 照射効果2

2019年9月12日(木) 15:50 〜 17:30 H会場 (共通教育棟 2F B21)

座長:阿部 弘亨(東大)

15:50 〜 16:05

[2H09] 分子動力学法によるα-Feのカスケード損傷過程シミュレーション

欠陥生成率のPKAエネルギー依存性

*陳 昱婷1、阮 小勇1、中筋 俊樹1、森下 和功1、渡辺 淑之2 (1. 京都大学、2. 量子科学技術研究開発機構)

キーワード:照射損傷、非平衡欠陥生成数、しきいエネルギー、PKAエネルギー

照射によって引き起こされるカスケード衝突は、構造材料に非平衡な欠陥を作り出す。こうした欠陥どうしが反応すると、やがて材料の機械的性質は大きく劣化する。本研究では、α-Feのカスケード損傷を分子動力学(MD)法によってシミュレートし、はじき出ししきいエネルギーの評価や欠陥生成率のPKAエネルギー依存性を調べた。特に、統計的性質に注目した。MD法によって評価した欠陥生成数とKinchin-Peaseモデルの比率は、PKAエネルギーが数十eV程度の低エネルギーの領域ではほぼ定数であったが、PKAエネルギーを増加させると、その比率は減少していった。また、しきいエネルギーはPKAの方向に強く依存することも明らかになった。