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[2H09] 分子動力学法によるα-Feのカスケード損傷過程シミュレーション
欠陥生成率のPKAエネルギー依存性
キーワード:照射損傷、非平衡欠陥生成数、しきいエネルギー、PKAエネルギー
照射によって引き起こされるカスケード衝突は、構造材料に非平衡な欠陥を作り出す。こうした欠陥どうしが反応すると、やがて材料の機械的性質は大きく劣化する。本研究では、α-Feのカスケード損傷を分子動力学(MD)法によってシミュレートし、はじき出ししきいエネルギーの評価や欠陥生成率のPKAエネルギー依存性を調べた。特に、統計的性質に注目した。MD法によって評価した欠陥生成数とKinchin-Peaseモデルの比率は、PKAエネルギーが数十eV程度の低エネルギーの領域ではほぼ定数であったが、PKAエネルギーを増加させると、その比率は減少していった。また、しきいエネルギーはPKAの方向に強く依存することも明らかになった。