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[2L03] 赤外吸収分光法による核融合試験装置の排気ガス組成分析の試み
キーワード:核融合試験装置、排気ガス組成分析、炭化水素、赤外吸収分光法
核融合試験装置では、動作ガスとして水素同位体ガスが使用される。水素プラズマと炭素材料との相互作用により炭化水素成分が生成され、排気ガスには僅かであるが炭化水素成分が含まれる。しかし、大型ヘリカル装置(LHD)を対象とした排気ガス組成分析では、ガスクロマトグラフ装置(熱伝導検出器、検出下限値: 10 ppm)で炭化水素成分が検出されなかった。一方、重水素プラズマ実験で生成されるトリチウムをトレーサーとして、排気ガス中のガス組成を観測したところ、炭化水素状トリチウムの存在が確認された。そこで、炭化水素検出の新たな試みとして、長光路ガスセルによる赤外吸収分光法を適用した。観測では、LHDの水素(H2)グロー放電洗浄運転、および大容量クライオ真空排気装置の再生運転を対象として、排気ガス組成の測定を行った。その結果、炭化水素成分として、メタン、エタン、エチレンが検出され、トリチウムでの観測結果と定性的な一致を得た。