2019年秋の大会

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VI. 核融合工学 » 601-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[2L16-18] 中性子増倍材/遮蔽材

2019年9月12日(木) 16:20 〜 17:10 L会場 (共通教育棟 2F E22)

座長:近田 拓未(静岡大)

16:20 〜 16:35

[2L16] 軟X線発光分光法による中性子増倍材Be13Zrの価電子状態の解析

*向井 啓祐1、笠田 竜太2、薮内 聖皓1、小西 哲之1、金 宰煥3、中道 勝3 (1. 京都大学エネルギー理工学研究所、2. 東北大学、3. 量子科学技術研究開発機構)

キーワード:ブランケット、中性子増倍材、軟X線、固体増殖ブランケット、酸化特性

固体増殖方式の核融合ブランケットではベリリウム化合物を用いて中性子を増倍し、トリチウムの自己燃料自給性を実現する。ベリリウムに遷移金属を添加したBe12M(M = Ti,V)やBe13Zrは高温水蒸気環境下で優れた耐酸化性を示すことが知られており、先進中性子増倍材として開発が進められている。本研究では電子プローブマイクロアナライザーに搭載された軟X線発光分光器(SXES)を用い、Be13Zr試料から生じるBe–K線の解析を行った。また、密度汎関数法に基づく第一原理計算によってBeの部分状態密度を計算し、実験結果との直接比較を行った。実験の結果、電子構造の変化に伴うBe–Kスペクトル形状の変化やフェルミ端付近の小ピークが観測された。Be内殻電子を含む状態密度計算の結果に基づき、元素間の電子移行や結合状態の変化について考察した。