2019年秋の大会

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VI. 核融合工学 » 601-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[2L19-23] 水素同位体挙動

2019年9月12日(木) 17:10 〜 18:30 L会場 (共通教育棟 2F E22)

座長:片山 一成(九大)

17:55 〜 18:10

[2L22] 鉄イオン照射量を変化させた14MeV中性子-鉄イオン複合照射タングステンへの重水素プラズマ照射による滞留挙動

*山﨑 翔太1、仲田 萌子1、小池 彩華1、和田 拓郎1、趙 明忠1、孫 飛2、桑原 竜弥3、波多野 雄治4、外山 健5、大野 哲靖3 (1. 静岡大院、2. 静岡大理、3. 名大院工、4. 富山大水素研、5. 東北大金研)

キーワード:プラズマ照射、中性子照射、昇温脱離法、タングステン、重イオン照射

核融合炉のプラズマ対向壁材であるタングステン(W)には炉運転時に中性子が照射され、水素同位体の捕捉サイトである照射欠陥がバルク中に均一に導入される。これに対して水素同位体や荷電交換中性粒子などによる欠陥は表面に集中し、欠陥分布が水素同位体滞留挙動に影響を及ぼす。本研究では、14 MeV中性子によりバルク中に一様に欠陥を導入したWに対して損傷量を制御して鉄イオンを照射することにより欠陥分布の異なる試料を作成した。この試料に重水素(D)プラズマまたはイオン照射した後に昇温脱離法により重水素滞留挙動を評価した。その結果、中性子-鉄イオン複合照射試料ではそれぞれ同じ損傷量の鉄イオン単独照射試料に比べ重水素滞留量が減少していた。ここから中性子-鉄イオン複合照射によって生じる試料全体および表面近傍の欠陥によってD導入時の表面からの再放出を促していることが示唆された。