2019年秋の大会

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一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 201-1 原子核物理,核データ測定・評価・検証,核反応工学

[2M01-03] 中性子断面積、光核反応、核共鳴蛍光

2019年9月12日(木) 09:30 〜 10:20 M会場 (共通教育棟 3F A31)

座長:執行 信寛(九大)

09:30 〜 09:45

[2M01] 20~300Kにおける水素含有物質の断面積測定

(1)軽水とエタノール

*原田 正英1、安部 豊2、勅使河原 誠1、大井 元貴1、池田 裕二郎1、及川 健一1、中島 健次1、河村 聖子1 (1. JAEA、2. 京大)

キーワード:水素含有物質、断面積測定、温度依存性、J-PARC、NOBORU、AMATERAS、冷熱中性子領域

大型中性子源や小型中性子源で使用されている減速材は、高い減速特性から、水素含有物質を用いる。冷熱中性子での全断面積や散乱断面積を含む散乱特性は、減速材の性能を知る重要なデータである。しかし、測定時期が古いものもあり、測定方法もまちまちであることから、将来的な中性子源開発に向け、2018年度より、系統的な水素含有物質の断面積測定を開始した。

 今回の発表では、水素含有物質の試料として、2018年度に実施した軽水及びエタノールの測定を対象とする。測定は、J-PARCセンターの物質生命科学実験施設の核破砕中性子源のビームラインであるNOBORU 及びAMATERASを用いた。全断面積の測定はNOBORUで、散乱断面積の測定は、AMATERASを用いた。試料の温度は、20、100、200、 300Kに、融点付近の温度点も加えた。試料はアルミニウム製セルに封入した。全断面積の測定は、飛行時間法を用い、全中性子による試料のエネルギー依存の透過率を測定し、全断面積に変換した。散乱断面積は、チョッパーで複数のエネルギーチョッピングし、散乱強度を測定することで、散乱断面積に変換した。

 全断面積については、安部らの理論計算と比較した結果、軽水については、過大評価傾向であるが、エタノールについては、良い一致を得た。詳細は、当日報告する。