2019年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-2 放射性廃棄物処分と環境

[3A05-08] 沿岸域工学技術2

2019年9月13日(金) 10:50 〜 11:55 A会場 (共通教育棟 1F C11)

座長:佐藤 治夫(岡山大)

11:05 〜 11:20

[3A06] 沿岸部における地層処分のための工学技術に関する検討

(6)セメント系材料の化学的変質を伴う塩水浸透および鋼材腐食の予測手法の検討

*芳賀 和子1、富田 さゆり1、井田 雅也3、細川 佳史2、林 大介3、大和田 仁3 (1. 太平洋コンサルタント、2. 太平洋セメント、3. 原環セ)

キーワード:地層処分、沿岸部、セメント系材料、塩水、浸透、熱力学平衡計算、PHREEQC、物質移行解析、化学変質、鋼材腐食

沿岸部で想定される地下環境において、地層処分(人工バリア)の成立性の評価において、必要となる支保工等に使用されるセメント系材料の変質挙動については、海水系地下水による試験が実施されている。本研究では一次元の物質移行計算とPHREEQCによる熱力学平衡計算を連成させた解析コードによって、種々のセメント系材料における塩水(海水の1~1/100倍濃度)の浸透挙動を計算した。コンクリート表層部分では溶脱により体積が減少し、塩水が浸透した部分では二次鉱物が生成して体積が増加する結果となった。これらの計算結果は実験で確認された変化と一致していた。また、塩水濃度が高くになるにしたがって、鋼材が腐食する化学的環境(腐食限界濃度)が内部に進行する速度は速くなった。本研究で検討した手法により、沿岸部の種々の地下環境におけるセメント系材料の化学的変質を考慮して、コンクリートの鋼材腐食までの期間を予測できる見通しを得た。