2019年春の年会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 305-1 計算科学技術

[2K11-14] 流体・構造解析

2019年3月21日(木) 16:10 〜 17:15 K会場 (共通教育棟2号館 3F 33番)

座長:張 承賢(東大)

16:40 〜 16:55

[2K13] 原子炉容器を模擬したノズル付き円板試験体の局部破損に関する研究

*恒本 芳樹1、坂口 貴史1、片岡 俊二2、佐藤 拓哉1、笠原 直人1 (1. 東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻、2. 日揮株式会社)

キーワード:延性破壊、局部破損、3軸応力状態、ミーゼス応力、静水圧応力

福島第一原発の事故では、圧力容器の構造不連続部において、局部破損という特殊な延性破壊が生じたと考えられる。これまでに筆者らは、切欠き付き試験片の引張試験及び有限要素解析を行い、局部破損の評価には静水圧応力の考慮が必要であることを明らかにした。これを基に、実際の圧力容器に近い構造であるノズル付き円板試験体について、ノズルの肉厚を変化させ、破壊試験及び有限要素解析を行った。その結果、厚肉ノズル付き試験体の方が薄肉の場合よりも最大荷重が小さくなった。厚肉の場合の局部破損発生箇所と静水圧応力の最大箇所が一致した。静水圧応力の最大値は厚肉の方が大きい。ミーゼス応力の最大箇所は、厚肉の場合はノズル取付け部の狭い範囲であるのに対し、薄肉の場合はノズル部全体に分布し、ノズル部全体が大きく塑性変形して荷重を受ける。以上より、ノズルと円板の剛性比の大きい厚肉ノズルの方が局部破損を生じやすいことを明らかにした。