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[1A05] 福島原発事故に由来する放射性セシウム担体物質の新しい判別法
キーワード:放射性セシウム含有微粒子、鉱物粒子、福島原発事故、酸処理、溶解特性
福島原発事故により環境中に放出された放射性セシウムの多くは、風化した黒雲母に代表される鉱物粒子に収着された。これとは別に、放射性セシウムを含有する珪酸塩ガラスの微粒子(CsMP)が破壊された原子炉から直接放出されたことがわかっている。我々はCsMPの分布や存在量を定量的に見積もる手法を開発するため、CsMPと鉱物の酸性溶液中での溶解挙動の違いに着目した。酸処理による影響を評価した結果、CsMPはほとんど変化しないのに対し、鉱物粒子は溶解によりその放射能が大きく減少した。この結果に基づいて酸処理前後の汚染物質の放射能をIPオートラジオグラフィーやガンマ線分光分析を用いて測定することにより、そこに含まれるCsMPの量を推定することに成功した。今後本手法を様々な地域から採集された汚染試料に適用することで、環境中でのCsMPによる汚染実態を解明することが可能である。