2020年秋の大会

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II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 202-2 放射線物理,放射線計測

[1M01-04] 線量計開発

2020年9月16日(水) 10:30 〜 11:45 M会場 (Zoomルーム13)

座長:金 政浩(九大)

10:30 〜 10:45

[1M01] 4層ホスイッチ検出器によるβ・γ同時弁別型線量計の開発

(1)基本設計

*前川 立行1、久米 直人2、牧野 俊一郎1、菊池 賢太郎2、大島 雄志1、藤原 栄一1 (1. 東芝電力放射線テクノサービス、2. 東芝エネルギーシステムズ)

キーワード:β線、γ線、フォスイッチ、4層、弁別、同時、線量率

福島の廃炉現場では、従来運転プラントに比べてFPに由来するβ線管理が極めて重要であり、眼の水晶体線量限度引き下げの法制化に伴い、より簡便かつ確実なβ線線量率の現場測定技術の実現が重要な課題となっている。現状のβ線線量率測定には主として電離箱サーベイが用いられているが、β線寄与分の評価には、β線遮断フィルタの装着有り無しでの2回測定と差分評価が必要であった。高線量率環境下での測定であり、差分情報にはγ線成分の誤差伝搬が避けられず、測定被ばくや測定値の信頼性という観点でも解決すべき課題は多い。
 こういった背景のもと我々は、現場放射線管理のための新たな測定技術の開発を進めている。β線の軌跡に沿ったエネルギー付与とγ線の確率的反応という特性の違いに着目し、新たに(3+1)層型のフォスイッチシンチレータを提案、ディジタル信号処理によるパターン分類を用いたリアルタイム線種弁別、パターンと波高値を組み合わせた線量当量率演算手法の実現を目指している。今回は、この技術の全体概要と4層フォスイッチ検出器の最適化・成立性検証結果についてシリーズ報告する。