[2B_PL03] Responses to risks by citizens
新型コロナウイルス禍が止まらない。ウイルスという目に見えない脅威によってもたらされている社会の現状は、かつて放射性物質という同じ目に見えない脅威の拡散を招いた東電福島第一原発(1F)事故、それによって引き起こされた社会の混乱を彷彿とさせる。情報の不足や不確かな知見、専門家や政府への期待とその反作用としての不信や反発、人々の心理的ストレスと認知バイアスが引き起こす過剰反応、不適切な対応が生み出す副次的被害等、多くの類似点を見出すことができる。様々なリスクをどうバランスさせて対処すればよいのか、社会は正解のない難問に苦しんでいる。この現状から、原子力界は何を学ぶべきか?また1F事故の経験から、ウィズコロナ、アフターコロナの社会に生かすべき教訓はないか?といった観点での考察を試みる。