[2G01-07] シビアアクシデント

[2G01] シビアアクシデント時の炉心燃料損傷に関する研究

(4)MAAP5によるSFD1-4試験のリロケーション評価

*佐野 直樹¹、西田 浩二¹、楠木 貴世志¹、村瀬 道雄¹ (1. INSS)

キーワード：シビアアクシデント、燃料損傷、リロケーション

炉内SA試験であるSFD1-4試験の炉心損傷、リロケーションについてMAAP5で評価した。解析体系はSFD1-4試験の燃料体から外壁までを模擬した。試験では、主に制御材・被覆管等の金属が溶融し、燃料体下部まで流下し、燃料体下部の空隙率が低下した。これまでの解析で概ね上記の傾向を予測できることを確認したが、一方で、試験との相違も確認された。この相違の一因として、炉心構成材料の溶融、流下量に着目した。炉心損傷の過程では、燃料ペレットと被覆管の反応によりU-Zr-O固溶体が形成される。MAAP5では、U-Zr-O三成分の状態図に基づき溶融量が計算されるが、この状態図のデータを最新の研究結果を反映した数値に変更し、解析を実施した。解析の結果、U-Zr-Oのソリダスが顕著に低下した。しかし、リロケーション全体に対する影響は軽微なものであり、空隙率には殆んど変化が見られなかった。更に、水・Zr反応の相関式を変更した感度解析を実施したが、結果には殆ど変化が見られなかった。