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[2K04] ケーブル絶縁材の健全性診断技術開発
(4)実機取替ケーブルを用いた検討
キーワード:ケーブル絶縁材、照射劣化、非破壊検査、AEセンサ、打音検査
原子力発電所で使用されるケーブル絶縁材の多くは、高い電気絶縁性をもつ高分子材料が利用されており、それらは熱や放射線により次第に絶縁性能が低下する。筆者らはケーブル試験体へのAEセンサを用いた打音検査(以下、「AE打音検査」)により、絶縁材の劣化度(ここでは機械的特性の低下度合い)の検出を非破壊的に試みてきた。本報では実機プラントの2次系で約30年間供用されたケーブルに電子線照射し、AE打音検査で得られる評価ピーク周波数(以下、「周波数」)、および絶縁材の引張試験で得られる破断伸びの関係を評価した。周波数と破断伸びから得られた回帰直線について、統計的検定から破断伸びは周波数で説明できることを確認するとともに、電気学会通則で定める終点基準(破断伸び50%)を健全基準値に設定し、計測値(周波数)のばらつきを保守的に考慮することで、各ケーブル試験体の暫定的な健全基準値設定した。これにより、AE打音検査によってケーブル取替時期を適切に推測し得る見通しを得た。