2020年秋の大会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-1 放射性廃棄物処理

[3C01-04] 福島第一原子力発電所汚染コンクリート1

2020年9月18日(金) 14:45 〜 15:55 C会場 (Zoomルーム3)

座長:松村 達郎(JAEA)

15:15 〜 15:30

[3C03] 放射性物質によるコンクリート汚染の機構解明と汚染分布推定に関する研究

(6)コンクリートの特徴がCs、Sr浸透に及ぼす影響に関する実験的検討

*富田 さゆり1、井田 雅也1、芳賀 和子1、山田 一夫2、五十嵐 豪3、丸山 一平3,4 (1. 太平洋コンサルタント、2. 国立環境研究所、3. 東京大学、4. 名古屋大学)

キーワード:福島第一原子力発電所、コンクリート、廃炉、セシウム、ストロンチウム、浸透試験、セメント、骨材、粘土、炭酸化

福島第一原子力発電所(1F)の廃炉時に発生する大量のコンクリート廃棄物処分計画において、コンクリートの汚染分布の推定が重要になる。本発表では、1F建屋のコンクリート状態を模擬して作製した試料に対して、Cs、Srの安定同位体元素を用いた浸透試験を実施し、コンクリートの特徴や液相濃度がCs、Srの浸透に及ぼす影響を検討した結果を報告する。コンクリートの特徴としては、セメント種類、骨材中の粘土鉱物量や炭酸化がCs、Srの浸透に影響を及ぼすことが分かった。特にフライアッシュを含むセメントは、浸透を大きく抑制した。液相濃度については、濃度が高くなると共存効果が起きる可能性が示唆された。1FコンクリートにおけるCs、Srの汚染分布の推定は、対象とするコンクリートの材料(セメント種類、骨材中の粘土鉱物の有無)や変質状態(炭酸化、乾燥、溶脱)、接触している液相濃度を考慮する必要がある。