2020年秋の大会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 203-3 ビーム利用・ターゲット/203-4 放射光,レーザー

[3L05-08] 中性子利用

2020年9月18日(金) 14:45 〜 15:55 L会場 (Zoomルーム12)

座長:木野 幸一(産総研)

14:45 〜 15:00

[3L05] 中性子共鳴吸収分光法に粒子輸送シミュレーション計算を援用した温度解析法のスペクトル積分強度抽出に関する研究

*貞永 直樹1、佐藤 博隆1、加美山 隆1 (1. 北大)

キーワード:中性子共鳴吸収、非破壊温度測定、粒子輸送シミュレーション、PHITS、積分強度

中性子共鳴吸収分光法を用いると、共鳴核種の温度情報を取得できる。複雑な形状・構造・動きをもつ試料の中の共鳴核種に関して、粒子輸送シミュレーション計算を用いて実験体系を再現し、共鳴吸収スペクトル形状の温度依存性を計算することで、スペクトルの持つ特徴量と共鳴核種温度間で検量線を作成して、実験の温度解析に使用する方法を検討してきた。本研究では、スペクトルの特徴量としてスペクトル積分強度に着目し、正確な温度解析のための積分エネルギー範囲の設定指針を得ることを目的とした。様々な積分範囲を設定し、Ta、Agの共鳴吸収スペクトルの実験結果に本手法を適用して温度解析した結果、温度に対する変化率の大きいスペクトルのエネルギー範囲のみを積分することで、最も正確に温度導出が出来ることを確認した。つまり、実験条件ごとに共鳴吸収スペクトルの温度変化率を計算で確認し、積分範囲を設定するという指針を得た。