2020年秋の大会

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一般セッション

VI. 核融合工学 » 601-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[3N01-07] ブランケット構造材

2020年9月18日(金) 10:00 〜 12:00 N会場 (Zoomルーム14)

座長:近田 拓未(静岡大)

10:30 〜 10:45

[3N03] 低放射化バナジウム合金中の窒素移行に及ぼすチタン濃度の影響

*齋藤 千貴1、小林 真1,2、申 晶潔1,2、山崎 樂1、長坂 琢也1,2、Valentyn Tsisar3、室賀 健夫1,2 (1. 総研大、2. 核融合研、3. ベルギー原子力エネ研)

キーワード:核融合炉構造材料、バナジウム合金、窒素、スカベンジング効果、機械特性

低放射化バナジウム合金(V-4Cr-4Ti)は液体Li増殖ブランケット構造材料の候補である。液体Li中では合金への窒素不純物の移行が起こり、固溶硬化に伴う脆化が懸念されている。合金元素Tiは窒素と反応して析出し固溶硬化と脆化を抑制するが、放射化の観点からは添加量を最低限にする必要がある。本研究では、窒素曝露によりLiからの窒素の移行を模擬し、窒素の拡散・Tiとの析出と合金の機械特性との相関を定量的に評価した。Tiによる窒素のスカベンジング効果で、表面硬化領域の深さはTi濃度に応じて減少した。そして、合金中を拡散する窒素とTiの結合反応を組み込んだ一次元の拡散モデルにより硬化領域の深さのTi濃度依存性は計算で再現できた。しかし、硬さ分布の再現までには至らなかった。結合反応による窒素の固溶硬化の消失に加えて、反応でできた析出物による硬化を組み入れた計算が必要であり、その結果についても報告する。