[3N08-13] プラズマ対向材料

[3N09] ベーキング処理による中性子照射タングステンからの水素同位体放出

*波多野 雄治¹、Vladimir Kh. Alimov^2,4、外山 健²、桑原 竜弥³、Alexander V. Spitsyn⁴、染谷 洋二⁵ (1. 富山大、2. 東北大学、3. 愛工大、4. クルチャトフ研、5. 量研)

キーワード：タングステン、水素同位体、中性子照射、トリチウム、除染

核融合炉で使用されたプラズマ対向材料からトリチウムを除去する手法の一つとして、崩壊熱を利用した真空容器中での加熱処理がある。トリチウム除去効率に及ぼす中性子照射効果を調べる研究の一環として、本研究では、BR2炉で0.016 dpaまで中性子照射したタングステン試料および非照射試料を300～500℃で重水素プラズマに曝露したのち、大気にさらすことなく真空中で300℃に加熱した際の重水素放出特性を調べた。30時間の加熱により、非照射試料からはほぼ全量の重水素が放出された。中性子照射材では放出速度は著しく減少したものの、30時間の加熱により総保持量の1～3割程度の重水素が放出された。これらのデータおよび昇温脱離測定の結果をもとに、より長時間加熱することによる水素同位体放出を拡散シミュレーションコードで評価した。